IFRSのめざすもの
IASB(International Accounting Standard Board,2001年設立)がIFRSのrule setterである。
↓IASBの目的は次のように書かれている
a)世界の様々な資本市場の参加者が経済的意思決定を行うに際して役立つ、高品質でわかりやすく比較可能な財務諸表やその他財務報告を作成する為に不可欠な唯一無二の高品質でわかりやすく、しかも強制力を有する国際的な会計基準を、公益に資する形で開発すること。
⇒資本市場参加者のための情報提供が目的であると明確にしている。
b)その基準の利用と厳格な適用を促進すること。
c)各国の会計基準とIFRSとのコンバージェンスを通じてより高品質な会計基準となるよう、各国の会計基準設定団体と緊密な作業を行うこと。
⇒当初はアドプションを標榜していたわけではないようである。
IFRS転機のきっかけ
当初IFRSは一民間団体が作成する拘束力のない会計基準であったが、米国資本市場に適用されるUSGAAPの厳格性(コストアップ要因)に対する企業側の回避の流れに加えて、1988年に各国の証券市場を監督する国際機関であるIOSCO (InternationalOrganization of Securities Commissions 日本では金融庁が参加者)がIFRSを支持したことから、国際間の証券取引にIFRSが使用することが認められることになり、次第にUSGAAPに代わりIFRSの使用が促進されることになってきた。
IFRSフレームワーク
IFRSでは、最初に「財務諸表の作成と表示に関するフレームワーク」を述べる。フレームワークは次の構成となっている。
PREFACE(序文)
INTRODUCTION(イントロダクション)
Purpose and status(目的と現状)
フレームワークの目的には以下のものがある(一部略)
a)IASC理事会(=IASB)が新しいIAS(=IFRS)や現在のIASを見直す際の補助
c)各国の会計基準設定団体が国内基準を策定する際の補助
d)財務諸表の作成者がIASを採用したり、IASの題目となっていないトピックについて対処する際の補助
e)監査人が財務諸表がIASに準拠しているかどうかの意見形成する際の補助
f)利用者がIASに準拠して作成された財務諸表に含まれている情報を解釈する際の補助
フレームワークはIASではなくIASに優先するものではない。また、IASとフレームワークが異なっているものが僅かながらあるが、この場合はIASがフレームワークに優先する。しかしながらこの差異は時の経過とともに減少していくこととなろう。
フレームワークの意義の最も重要な個所は以下の部分である
財務諸表は、回収可能な取得原価に基づく会計モデル及び名目資本維持概念に依拠して作成されるのが最も一般的である。現在のところ変更するという合意はないが、経済的意思決定を行うために有用な情報を提供するには、他のモデルや概念がより適切かもしれない。本フレームワークは複数の会計モデルや資本並びに資本維持概念に適用可能となるように作成されている。
↓
利用者の経済的意思決定のために、従来の会計モデルを変更する可能性があることを示唆している。
IFRSの特色
-C/FのフォームにB/SとP/Lを合わせた
-B/SはF/Pと名称変更
-分類(営業なのか投資なのか)は経営者の判断"eyes of management"で行う
-純額表示のため(F/Pでは)総額は注記事項となる。
-キャッシュ・フローではキャッシュだけとしキャッシュ等価物をなくした。
-営業キャッシュ・フローを直接法で計算する。
-キャッシュ・フロー計算書と包括利益計算書との調整表を作成する
日本はどう対応すべきか
会計を通じた経済紛争(or戦争)
国家プロジェクトではないか
英語のできる会計士の早期育成
BIG4との利益一体化でいいのか(JSOX、SOXの終わりと次のテーマ)
IASCFへの資金拠出は世界第2位-相変わらずのロープレゼンス